『生誕110年 東山魁夷展』へ行ってきました!

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やってまいりました、アートスクール通信講座事務局スタッフによる展覧会レポートです!

今回行ってまいりましたのは
『生誕110年 東山魁夷展』

場所は、京都国立近代美術館。
企画展でございます。

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そういえば…
そもそも、企画展と常設展ってなにが違うの?というところを少しお話してみます。

常設展は、基本的に自分のところの所蔵作品を展示します。
常設展を見れば、その美術館が何の分野に強いのががよくわかります。
初めて行く美術館ではぜひチェックしておきたいですね。

一方、企画展とは、あるテーマのもと、自前の所蔵作品以外にも、他の美術館やギャラリー、個人などに作品を借りるなどして、一定期間の展示をすること、です。
企画展については、いろんな美術関係の人や団体が関わってきて、大掛かりなものとなることが多いです。
キャプションに所蔵先が書いてあることもあるので、それを見るのも面白いですよ!

「お、この美術館はこの前の展示でも見たぞ」
「この作家の作品、ほとんどこの美術館が持ってるなあ」
「個人蔵!!きっと涙ぐましい努力が……!」
個人蔵では、たまに著名人が上がっていたりもするので、注目していると特に楽しいかもしれません。

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さて、少しだけ話は戻りまして。
京都国立近代美術館ですね。
やはり近代美術館ですので、近代の作家の作品の所蔵がアツいです。
4階の展示室がだいたいいつも常設展をされている気がします。企画展のチケットを買うと、常設展も無料で見れますので、ぜひ一緒にご覧ください。
昔に行った企画展だと、「『日本画』の前衛 1938–1949」や「上村松園展」が印象に残っています。
(日本画好きなのバレバレですね)

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さて、メインの展覧会へとお話を戻しましょう。
なんだかんだで東山魁夷の絵を見るのは初めてかもしれません。
教科書などに、よく掲載されていた記憶があります。
個人的には美術の教科書に載っていた『晩鐘』が見たかったのですが、展示されておらず…残念。

そして、やはり日本画を生で見ると良いなあと思うのは、岩絵具での画面表現を見たときですね。
日本画では、色を塗るのには主に岩絵具などが使われます。
岩絵具は、簡単に言うと、そのまま『岩を砕いた絵の具』。ですので、中には宝石なんかも含まれていたり。
その粒の大きさによって、濃さが違います(細かいほど薄い色、粒が大きいほど濃い色になります)。
そして、粒子が粗いとき、照明に当たると、岩絵の具がきらっと光る瞬間があります。
こういうとき、「ああ、日本画を生で見て良かったなあ~」と思うのです。

岩絵具の粒の大きさを意識して東山魁夷の日本画を見ると、その効果を巧みに利用し、絵作りに生かしている作家の技量の高さに驚かされます。
『冬華』という作品では、木の枝の部分、手前の枝ほど、粗い絵の具をのせており、本当に枝が重なっているかのように見えます。
その丁寧な処理が、木の存在感をより浮かび上がらせているのかもしれません。

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そして、一番印象に残った作品は、唐招提寺御影堂の障壁画の一部、『濤声(とうせい)』です。
唐招提寺は鑑真和上で有名なお寺ですね。
この絵は、日本への渡航失敗で、失明した鑑真和上が「見たかったであろう」日本の風景を描いたものだそうです。

薄暗い照明の展示室の一面に、海が広がるような絵でした。
絵が動きそう、というよりは、「風、波しぶき、そして木々が擦れる音さえもが聞こえてきそう」な
鑑真和上が感じられるであろう「音」に呼応する絵とでも言うのでしょうか。
きっと彼が海の音を聞いたときに、脳裏に思い描いたであろう美しい海をそのまま画面に写し取ったのではないかと。
『濤声』、濤(なみ)の声(こえ)、という作品のタイトルは、それを如実に表していたように思います。

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充実した展覧会でした!
京都国立近代美術館では、3階で企画展を完結されることが多いような記憶だったのですが、
今回の展示は4階の一部にまで及んでおり、かなり大きな回顧展だったように思います。
素敵な展覧会をありがとうございました~!

――そして今回も、展覧会で肝心であっただろう、東山魁夷の「白馬の絵」には触れずに執筆を終えるスタッフであった――。いいのか!?

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