『江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで』展レポート
こんにちは!アートスクール通信講座事務局スタッフです。
今回は、以前行った面白い展覧会についてご紹介します。
『江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで』展 大阪市立美術館にて、2018年春に開催されていた展覧会です。
大阪市美術館に来るのは、おそらく3回目。記憶している限り、すべて浮世絵関連の展覧会だったりします。
浮世絵は版画なので、同じ作品にいろんなところで出会えるのに、版(何回目に刷ったか)によって色が違ったり、特に初めて刷られたものには版木の木目が入っていたりして面白いのです。
が!
基本、浮世絵は手元で見る絵だったので、 絵のサイズ自体も、描いてあるものも、細かいのです~!!
展覧会でご覧になる際は、途中休憩を入れたり、ルーペなどを持って行くのが、おすすめです。
浮世絵は、それがほぼ廃れてしまう明治期になればなるほど、超絶技術が発達しています。
後期の浮世絵ほど、印刷物ではなく生で見ると面白い、とスタッフは思っておりますよ。
さて、お話を戻しましょう。
今回の『江戸の戯画』展、一番見たかった絵があります。
それは、『歌舞伎役者の地獄』。
「えっこわ……」とお思いのあなた。
そうではありません。
作者である耳鳥斎(にちょうさい)の魅力、ご覧あれ。
(※ これは、この記事の筆者が再現した絵を描いたものです )
『大根役者』にかけて、こんな絵を描いています。
この、なんとも言えない歌舞伎役者の顔。
ゆるい。
ゆるすぎる。かわいい。
そしてもう一枚。
大根と煮られる歌舞伎役者の図。
リアルで見たら酷すぎるはずなのに、このゆるさ。
左端の亡者については、なんか楽しんでないか?という表情。
そして傍らで泣いている二人。
本当に悲しいのか?嘘泣きしてないか?と疑ってしまう、あんぐり開いた口。
耳鳥斎の絵は、この、『しゃれの効いたゆるさ』が特徴的ですね。
これらのシリーズは、「この職業に就いた人はこういう地獄に落ちる」というテーマで書かれたものです。
Appleさんが無料配信していたりするので、気になる方はぜひ。
これらは、鳥羽絵という浮世絵の戯画として紹介されていたものです。
いやはや、耳鳥斎に目をつけるとは。ありがとうございます。一度見てみたかったものですから。
そして、展覧会の一番メインであろう「金魚づくし」については、このレポートでは語らずに終わるのでありました。
北斎・国芳・暁斎については、語ると止まらないので、今回は割愛させていただきます。
ではでは、次回のレポート、お待ちください~。