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イラストレーターの仕事内容と必要なスキル・能力を磨く方法

絵やイラストを描くことが好きな方・得意な方の多くの方は、趣味でイラスト等を描くだけでは満足せず「絵やイラストを描くことを仕事にしたい」と考えたことが一度はあるのではないでしょうか。
絵やイラストを描く仕事も様々ありますが、世間で知られている職業として画家やイラストレーターなどの職業があります。
画家は自身の作風や個性を生かした表現を追求し、確立していることが重要視され、アーティストとしての側面が強いです。
対してイラストレーターは、自身の個性を必要とされながらも企業やクライアントからの要望を取り入れ、取得した情報を整理し、作品(商品)として納品することが主な仕事になります。
趣味ではなく仕事としてイラストを描く「イラストレーター」はどのような職業なのか、イラストレーターはどのような資格やスキルが必要か、どのようにしたらイラストレーターになることができるのかを詳しく解説していきます。

 

1.イラストレータの仕事内容と求人のある業界

イラストレーターは、様々なジャンルで活躍することができます。
一般的には、広告、出版、パッケージデザイン、テキスタイルデザイン、キャラクターデザイン、Webデザイン、ゲ ーム開発、グッズ販売などがあり、制作会社だけでなく企業のデザイン部門など、就職先は多岐にわたります。

広告制作は、広告代理店や広告会社、マスコミなどがクライアント先となり、広告用のイラストやグラフィックデザイン を制作します

出版物の制作は、出版社や雑誌などの媒体がクライアント先となり、書籍や雑誌の表紙や挿絵・カットイラスト、本の装丁、まちがいさが しのイラスト、絵本などがあります。最近では自分で絵本を出版できるサイトYOMO(https://www.yomo ehon.com)などもあり、個人出版未経験であってもわかりやすく、ハードルも下がりました。ZINEのような安価で作れる冊子もたくさんあるので、自分で販売するのも方法です。

パッケージデザインは、食品メーカーや化粧品メーカーなどがクライアント先となり、食品や化粧品などのパッケー ジデザインを制作します。

テキスタイルデザインは生地デザインというイメージが強いと思いますが、文具やインテリアなど幅広い分野でデザインすることができます。クライアント先は文具メーカー、インテリアデザイン事務所、ファッションメーカー、ホームファブリックメーカーなどが あります。

キャラクターデザインは主に文具などに用いられるイラスト&デザインを制作します。クライアントはステーショナ リーメーカーに就職、または外注。デザイン事務所などがあります。

Webデザイン制作においては、WebサイトやSNSなどのイラストやグラフィックデザインを制作します。クライアント 先には、Web制作会社やSNS運営会社などがあります。

ゲーム開発においては、ゲームのイラストやグラフィックデザインを制作します。クライアント先には、ゲーム開発 会社があります。

このように、イラストレーターと言っても様々な企業で必要とされており、また職種や趣向も多岐にわたり、要求される内容も様々です。いずれの場合も実務経験を積みスキルを磨いた後は、フリーランスとして独立する方が多い傾向にあります。

 

2.個性を強く生かしたイラストレーターとしてフリーランスで活動する

このように企業へ就職またはフリーランスとして仕事を請け負い、イラストレーターとしてデザイン業務をおこなう方法もありますが、最近では自分のイラストをグッズにして販売する人も増えてきています。メーカーに売り込むことも一つの方法ですが、最近で は、個人で印刷入稿しやすくなり、個人で販売できるサイトも増えてきましたので、オリジナルグッズを個人販売される方も増えてきました。

また、デザインフェスタ出店や雑貨屋さんに売り込むことも方法です。

私も最近はカレンダーやマスキングテープの販売もしています。

 

アートスクールの通学の卒業生で有名になられた方に

イラストレーションコース 南夏希さん 
https://www.instagram.com/punipuni729/

 

 

絵本コース ミロコマチコさん
https://www.mirocomachiko.com

 

ハンドメイドコース カメコさん
https://minne.com/@kameko-art

 

がおられます。

南夏希さんは、Instagramの発信を通して幅広く認知され、地位確立されました

ミロコマチコさんは公募展の受賞をきっかけにデビューされました。現在は画家としても活躍されています。 カメコさんはデザインフェスタで出店したことがきっかけで人気ハンドメイド作家に!

SNS発信やコンテストへの応募などアプローチの仕方は様々ですが、発信することがいかに大切なことかわかっていただけるかとおもいます。

職業として企業に就職するイラストレーターよりも、個人で企画・制作・販売などの活動をするためクリエイティブであることに重きを置くことができるとも言えるでしょう。

ではイラストレーターとして活躍するためにはどのように行動すると良いのでしょうか。次にもう少し具体的に説明していきましょう。

 

3.イラストレーターになるための学習方法と流れ

(1)イラストレーターになるための学習方法

イラストレーターになるための学習方法には様々な選択肢があります。

美術学科のある大学や専門学校、美術教室へ通うことでアートやデザインについての専門的な知識やスキルを学ぶことができます。時間や距離の制限がある場合は、オンラインスクールや通信講座を選択することも一つの方法です。時間と根気を要しますが、イラストレーションに必要なスキルを身につけるために、自分で勉強し、練習することができます。

まずは基本的なイラストの描き方やデザインの基礎を学びましょう!

Adobe(アドビ) IllustratorやPhotoshopなどのソフトウェアを使いこなせることはイラストレーターを目指す方には必須で、特にデザイン会社や制作会社へ就職を希望する場合は、IllustratorやPhotoshopの使用歴やポートフォリオを求められることがほとんどです。
また、最近ではprocreateやクリップスタジオなiPadで描かれるイラストレーターも増えてきました。

デザインの仕事をする方は色彩検定試験を受けている方が多くいらっしゃいますが、経験が浅い方で制作会社などに就職・転職を検討している方は、「Illustratorクリエイター能力認定試験」や「Photoshopクリエイター能力認定試験」などの認定試験を受験することも方法の一つです。また、Adobe社が提供している「Adobe Certified Professional」(アドビ認定プロフェッショナル)は世界共通の資格試験ですので、就職や転職でスキルをアピールすることができます。

このように、イラストレーターになるための学習方法や転職に有利な資格はさまざまですが、まずはイラストレーションに必要なソフトウェアの操作に慣れ、自分に合った画材を使いこなせるようになりましょう!

自身の方向性が決まれば、それに特化したスキルを磨くとより強みになります。
インターンシップや実務経験を積むことも有効です。これによって、実際のクライアントの要求や現場のノウハウを 学ぶことができ、スキルアップをすすめることができます。

「ココナラ」のような自身のスキルをオンラインで販売できるお仕事紹介サイトに登録するのも良いでしょう。
他のイラストレーターやデザイナーと交流することで、新しいアイデアや技術を学ぶことができます。
通学やオンラインスクールのグループ講座、insutagramやFaceBookなどのSNSのコミュニティーに積極的に参加するのも 良いでしょう。コンテストや展覧会などに作品を出品してみましょう!他のイラストレーターやデザイナーの作品を見ることで、自 分の作品を比較し、スキルアップをすすめることができます。

 

(2)イラストレーターのキャリアアップ方法

イラストレーションに必要なスキルを磨くことで、より高いポジションやプロジェクトに挑戦することができます。
ポートフォリオを作成し、 自分のスキルをアピールするために、ブランディングをすることで、クライアントや雇用 主からの注目を集めることができます。


 

他のイラストレーターやデザイナーと交流し、新しいアイデアや技術を学ぶために、、InstagramやFaceBookな どのSNSのコミュニティーに積極的に参加しましょう!フォロアー数やいいねの数が増えるとより仕事のアピール力 が上がります。

特定の分野に特化し、そのジャンルでのエキスパートとなることで、需要が高い分野やメディアでスペシャリストとして活躍することができます。

また、インダストリーのトレンドや技術を常に追って、新しいことに挑戦することで、自分自身も企業にとっても魅力的な イラストレーターとなり、キャリアアップすることができます。

プロとして新しいスキルを身につけるためには、イラストレーションやデザインに関する教育や研修を受け、スキルを アップグレードすることが重要です。
日々このような努力を積み重ねることで、イラストレーターとして実力をつけ、より高いポジションに就くことができます。

 

(3)イラストレーターのポートフォリオ作成方法

まずは作品を増やすことが一番です。
次にスキルやセンスを最もよくアピールできる作品を選定します。
作品をカテゴリー分けし、クライアントの担当者や雇用主 がスキルを理解しやすいように整理します。ポートフォリオ(クリエイターが企業側に自身をアピールするために提示する作品集)のデザインを決定し、自身の作品がより魅力的に見えるように説明文の追加と配置、情報の整理を行います。
ポートフォリオはオンライン版と印刷版のどちらか が求められるのか、クライアントや雇用主によって異なるため、両方の用意が望ましいです。

また、自身の作品データや情報はできるだけ頻繁に更新しましょう!
そうすることによってポートフォリオが常にアップデートされ、クライアントや 雇用主にとっても興味深いものになります。作品の品質は高く、細部まできちんと見られるようにしましょう!
Instagramやブログ、ホームページなどを活用し宣伝することで、クライアントや雇用主より発見されやすくなり、作品や自身の作風やこだわりが相手へ伝わりやすくなります。

このように、イラストレーターのポートフォリオ作成には多くのことを考慮し、作成することが重要です。 それらを取り入れるこ とで、クライアントや雇用主にとって魅力的なポートフォリオを作成することができますのでぜひ実践しましょう!

(4)イラストレーターのクライアントとの営業方法

イラストレーターとして自身のポートフォリオを直接デザイン会社や出版社などに持ち込み営業へ行く場合は、クライアントのニーズを把握し、それに合ったサービスを提供、そしてクライアントとのコミュニケーションを大切にしましょう。相手の要望を正確に理解し、意図を汲み取りながら作品を制作することで、クライアントにとっても満足する作品を制作することができます!

さらに自分のスキルやセンスをアピールできるポートフォリオを活用することで、クライアントにとって魅力的なオファーをする ことができる可能性があります。

(5)提案書や見積書を作成する

場合によりますが、 クライアントへ明確な提案書や見積書を作成することで、クライアントにとって 分かりやすいオファーをすることが可能です。おおよその技術料金をホームページに明記しておくのも有効な手段です。
また、契約や請求書を適切に作成し、明確な条件を記載することで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。


 

4.仕事を受けることができた場合

仕事を請け負うことができた場合は、常にクライアントとコミュニケーションをとり続け、作品制作の進捗状況や方向性の確認など情報共有を行いましょう。クライアントからの要望に迅速に対応し、信頼関係を築くことはとても大切です。

真摯にお仕事に取り組む。納期(締め切り)は絶対に守る!
当たり前のことですが、実は結構難しい・・・
仕事の途中でもまめに連絡し、進行がずれていないかチェックします。
コミュニケーションをとることはとても大切です。 クライアントの話をよく聞くことで、彼らのニーズを理解し、アイデアを出すことができます。

 

5.イラストレーターの仕事のすすめ方

クライアントからのオファーを受け入れた後は、具体的にどのような仕事が求められているのかを正確に把握し確認後、作業を進めていきしましょう。受注後もクライアントと常にコミュニケ ーションをとることでどのようなイラストが求められるかが明確になります。

このように制作する商品の方向性や、細々としたことが決定したらいよいよ制作に取りかかります。
まずはクライアントの要望に沿った成果物を完成させるため、聞き取りをしたイメージをラフスケッチしていきます。要望を反映できたところで自身のアイディアも取り入れながらさらに描きます。

完成したラフスケッチをクライアントへ提出し、意見を出してもらい、どのような修正が必要かを確認します。
確認後、クライアントからのフィードバックを受け入れ修正をすることで、クライアントにとって満足するイラストを作成することができます。

修正が完了したら、イラストを完成させ、クライアントに納品します。

仕事が完了した後も、クライアントからのフィードバックやアドバイスを受け入れることで、それらを次回の仕事に活用するこ とができ、クライアントとの関係を深めることができます。

そして仕事が完了した作品を自分の実績としてポートフォリオに追加しましょう!

今後、別のクライアントに対しても自身の実績をアピールすることが できます。

そして新たなクライアントとの取引をすることで、イラストレーターとしてのキャリアを積み上げていきましょう!

 

6.イラストレーターのブランディング方法

イラストレーターとして活動していくために、クライアントからの要望や表現すべき情報を整理した作品(イラスト)作りをすることは一番大切なことです。
加えて、イラストレーターとして自分のスタイルを確立し、それを表現する=ブランディングすることで、クライアントにとっても印象的で魅力的なイラストレーターとなります。

自分らしさ等を表現できているオリジナルの作品やブランドアイデンティティを発信しつづけることで、多くの人にイラストレーターとしての自分を知って もらい、自身の個性やブランドが確立されていきます。
発信するツールとしてInstagramやTwitterなどのSNSやブログはとても有効です。
最新の作品やおすすめの作品を常に発信・コミュ ニティ作り・ブランドアイデンティティを紹介、コンテストやイベントへの参加など、多くの人に作品や ブランドアイデンティティを知っていただきましょう。

また、ブランディングは常に変化していくものですので、常に新しいアイデアを出し、新しい方法を模索することが大切で す。

 

7.これからイラストレーターを目指す方々へ

このように、イラストレーターの仕事は、クライアントとのコミュニケーションを重視し、細心の注意を払って制作することが重要です。また、自分のスキルやセンスを磨き、常に新しいアイデアを出し続けることで、イラストレーターとしての キャリアアップを図ることができます。

イラストレーションは、スキルや経験、人脈、アイデア、ブランディング、創造力などが求められます。常に新しいアイデアを生み出し、独創性を持った作品を制作することが大切です。そのためには、常に創造力を保ち、新しいことに挑戦することが重要です。

常にスケッチブックやノート、もしくはiPadなどのデジタルイラストが描ける機器等、自分に合ったものを持ち歩き、アイディアを描き止める習慣をつけましょう! そして、常に学ぶことで新しい技術やトレンドを習得し、クライアントのニーズに対応することができるようになり ます。

今はイラストとは全く違う仕事をしている方でも、趣味から始まり、気がつくと仕事になり転職をした、などということもあるかもしれません。

前述の通り、イラストレーターは、個性の表現を主体とする画家とは異なります。

ですが、求められる条件に自身の個性を含ませ、イラストや絵として商品(作品)を制作できるイラストレーターという「職業」は、絵を描く「仕事」をしたい人にとって年収の高低等は他と比較にならない満足感を得ることができる職業なのではないかとおもいます。

イラストレーターを目指すためには自分自身を売り、自分の作品を見せ、クライアントとのコミュニケーション能力を磨くことで、イラス トレーションの仕事を見つけていきましょう!!

 

ビジネスイラストコース講師 / 富畑 満理枝

 

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