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アナログイラスト初心者必見!オススメ画材道具5つを詳しく解説

 イラストレーション基礎画材コースで学んでいる皆さん、また学ぼうとされている皆さん、こんにちは。

 イラストを画材を使ってアナログで描く場合、鉛筆、油彩絵具や透明水彩絵具、マーカー、クレヨン、色鉛筆など様々な種類の画材があります。

 今回は、ミリペン、コピック、色鉛筆、透明水彩絵の具、アクリル・アクリルガッシュといったイラストレーション基礎画材コースで使われている5つの画材の特徴や使い方の紹介と、併せてアナログとデジタルでのイラスト制作のメリットデメリットを解説していきたいと思います!

各画材には、それぞれの魅力や、長所と短所があります。

自分の好みや作りたいイラストに合わせて画材を選ぶことが大切です。

それでは、各画材の特徴や使い方をテキストよりも詳しく解説していきますね。

 

1.ミリペン

 まずは、ミリペンです!

イラストや漫画をアナログで描く場合の必須アイテムで、各メーカーが様々なシリーズで展開しています。

 ペン先のサイズが細いものでは0.05mm、太いものは1.0mmのものまで、いろいろな太さのものがあります。表現したい線の太さで、使い分けると良いでしょう。

 ミリペンは、筆圧に左右されず均一な線が引けるため、筆圧をかけ過ぎないように注意しましょう。筆圧をかけ過ぎるとペン先が潰れてしまい均一な線が描けなくなるのです。

 ミリペンは、耐水性と速乾性に優れていますが、アルコールに弱いものもあります。描いたイラストにアルコール性のカラーインクで着色すると滲んでしまうことがあるのでこちらも注意しましょう。また、消しゴムをかけすぎると線が薄くなってしまうことがあるので、軽めの力でかけましょうね。

ミリペンの長所と短所

長所:

一定の太さの線が描きやすく、初心者でも扱いやすい。耐水性と速乾性に優れており、色を塗っても滲まない。

短所:

筆圧や角度を変えても線の太さが変わらないため、表現力に限界がある。アルコールや修正液に弱く、滲んだり削れたりすることがある。

 

2.コピック

 次に、コピックです!

 コピックには、クラシック、スケッチ、チャオ、ワイドなどの4つの種類があります。ペン先の形やインク容量が異なりますが、インクは同じ品質で補充用インクも共通で使用できます。表現によって、適したタイプを選びましょう。

 コピックは、アルコールマーカーなので、水性ペンや鉛筆と違って色を重ねることでグラデーションが作れます。同系色の色を使って塗り重ねると綺麗なグラデーションができますが、色が濃くなりすぎないように注意しましょう。

 コピックは耐水性と速乾性に優れていますが、アルコールに弱いため、アルコール性のカラーインクで着色すると滲んでしまうことがあります。

コピックの長所と短所

長所:

発色が美しく滑らかな書き味でイラストにも向いている。色を重ねることでグラデーションや色混ぜができる。インク補充で長く使える。

短所:

価格が高く初期投資が大きい。アルコールや修正液に弱く滲んだり削れたりすることがある。

 

3.色鉛筆

 続いて色鉛筆です!

 色鉛筆には、芯の硬さや色数が異なる種類があります。芯が硬いものは線を引きやすく、芯が柔らかいものは塗りやすくなっています。

 表現したい内容によって、適したタイプを選ぶと良いでしょう。

 色鉛筆は、色を重ねることで混色やグラデーションができます。混色するときは薄い色から塗って濃い色を重ねるのが基本です。グラデーションは、同系色を使って塗り重ねると綺麗に仕上がりますよ。

 また、色鉛筆は線(ハッチング)を重ねることで質感や立体感を表現できるので、線を一定方向に引くハッチングや線をクロスさせるクロスハッチングなどのテクニックを使ってみるのも良いでしょう。

〈色鉛筆の長所と短所〉

長所:

色数が豊富で表現力が高い。色を重ねたり混ぜたりして自由に色合いを変えられる。水彩画よりも手軽に始められる。

短所:

価格が高いものが多い。芯が折れやすいものもある。消しゴムで消せない。

 

4.透明水彩絵の具

 次は透明水彩絵の具です!

 透明水彩絵の具は、水で溶いて使う絵の具で、色を重ねると下地の色が透けて見えるのが特徴です。比較的手に入りやすく、扱いやすい画材でしょう。

 透明水彩絵の具は、チューブや固形(パン)などの種類があります。チューブは色数が豊富で発色が良く、固形は持ち運びやすく乾きにくいという特徴があります。用途や好みによって選ぶと良いでしょう。

 透明水彩絵の具は、水で溶いて筆につけて塗ります。水の量や筆圧によって色の濃さや薄さが変わります。水の量が多いと淡くぼかしたり、にじませたりできます。水の量が少ないと濃く鮮やかに塗れます。

 透明水彩絵の具は、色を重ねることで混色やグラデーションができます。混色は、薄い色から塗って濃い色を重ねると綺麗な仕上がりになります。

透明水彩絵の具の長所と短所

長所:

水で溶くことでさまざまな表現ができる。色を重ねたり混ぜたりして自由に色合いを変えられる。乾いても再度溶けるため修正しやすい。

短所:

水分が多いため乾きにくい。紙によっては波打ったり滲んだりすることがある。消しゴムで消せない。

 

5.アクリル・アクリルガッシュ

さらにアクリル・アクリルガッシュです!

 アクリル・アクリルガッシュは、水で溶いて使う絵の具で、顔料とアクリル樹脂が原料です。水彩絵の具のように淡く描くこともできれば、油絵の具のように厚く描くこともできます。様々な表現が可能な画材です。

 アクリルは透明感があり厚塗りができる特徴があり、アクリルガッシュは厚塗りには適していませんが、マットな質感で発色が良い特徴があります。

 また、いろいろなテクスチャを付けることができるメディウムもあるので、用途や好みによって、適したものを選ぶと良いでしょう。

アクリル・アクリルガッシュは乾くと水に溶けなくなるため、水彩絵の具と違い重ね塗りをすることで、修正や加筆ができます。

 また紙(画用紙)だけでなく、布や木や石など様々な素材に描くことができます。

アクリル・アクリルガッシュの長所と短所〉

長所

発色が鮮やかで耐久性・耐光性がある。多彩な描き方ができる。乾燥時間が短く作業効率が良い。比較的安価で入手しやすい。

短所:

乾燥時間が短すぎるとグラデーションなどが難しい。乾いたら水に溶けないので、筆や服などについたらすぐに洗わないと取れなくなる。

 

6.アナログとデジタル、それぞれのメリットデメリット

最近ではイラストをタブレットやパソコンなどのソフトやアプリで描くなど、デジタル環境で制作される方が増えてきています。デジタルはアナログに近い表現ができますが、アナログには独特の良さもあります。

 アナログとデジタル、両者のメリットを併せて制作することも可能です。

①アナログで描く場合のメリットとでメリット

 アナログで描くメリットはスケッチブック(ノート・画用紙)と鉛筆1本で手軽にイラスト制作が始められるなど、手軽に始められることもメリットです。また、物理的なペンや筆などの道具を使うことで、デジタルでは得難い描き心地や滑らかな感触が得られ、色の混ざり方や質感など、アナログだからこそできる表現があります。

 デメリットは、インクやペンなどの画材を使った場合、間違い部分を消すことが難しいため、慎重な作業が求められます。また、水彩絵具などを混ぜて作った色を再現することは難しく、保存状態によっては色あせや劣化などもみられます。

 

②デジタルで描く場合のメリットとでメリット

 デジタルで描く場合のメリットは、描いた線や色の修正が容易で、レイヤー機能で要素を切り分けることができます。様々なブラシやエフェクトなどの機能を使用して様々な画材のタッチを再現することができ、リアルな質感からアニメ風まで、幅広い表現が可能です。また、デジタルデータでの保存・複製、オンラインでの共有が簡単にできます。

 デメリットはデジタルツールの使用には学習が必要であり、使い方をマスターするまで時間がかかることがあります。

 

7.おわりに

 以上、イラスト基礎画材コースでも使われているイラストレーションを描くときによく使われているポピュラーな画材5つの紹介と、アナログ・デジタル両者で描く場合のメリットデメリットについて解説しました。

 いかがでしたでしょうか?

 それぞれの画材には、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分の描きたいイメージや表現方法に合わせて、画材を選んでみてくださいね。

 また、一つの画材にこだわらずに、複数の画材を組み合わせて使うこともできます。例えば、ミリペンで線画を描いてから水彩で着色したり、色鉛筆と透明水彩絵の具を組み合わせたりすることもできます。

 アナログ画材の特徴を理解して、自分なりに工夫をしてみると、思わぬ作風のイラストが描けるようになるでしょう。

様々な画材がありますが、ぜひ自分に合ったものを選んで、楽しく絵を描いてみましょうね!

 

 

イラスト基礎画材コース講師 / 福山 竜助

 

 

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